２０１７年９月号、オンライン版２３０号をお送りします。
ブライアン・オールディスの訃報。8月19日、イギリスの自宅で、92歳で亡くなったとのこと。
オールディスといえば『地球の長い午後』のような、はるか遠い未来を、穏やかな衰退の詩情とセンス・オブ・ワンダーとで豊かに描いた作品が好きでした。短篇もすばらしく、『爆発星雲の伝説』は愛読書の一つです。中でも収録作の「賛美歌百番」はいつまでも心に残る名作でした。
一方、オールディスはイギリスのニュー・ウェーヴSFを自ら推進した一人でもあり、またその批評眼をもって、『十億年の宴』や『一兆年の宴』といったSF史を執筆しています。あの「ワイドスクリーン・バロック」という言葉を提唱したのもオールディスでした。つまりひと言でいって、SFを批評的に見る視点を持ちながらも「とてもわかっている」人だったのです。慎んで哀悼の意を表します。
８月２４日に、藤井太洋さんの初短篇集『公正的戦闘規範』が発売されました。ぼくは解説を書かせていただきました。
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次号は１０月１日ごろに登録の予定です。