みだれめも・出納記録

20年1月・初春

水鏡子


 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

○12月の近況

 12月のイベントは、京都の忘年会と大阪の忘年会、大阪で食事会が2つ。そのたびに50冊前後を買い込む。
 古書市の値崩れは前年よりさらに進んだ感がある。1冊200円3冊500円の値付けがわりと標準的になってきて、しかも本の質が良くなっている。300円が200円になるというのは、同じ額で買える本が1.5倍になることではない。これまでだと買うことのなかった本が大量に購入対象に降りてきたということなのである。300円で買った本には、かすかながら読まなければという圧がかかるが、200円だとほぼ並べるために買うだけといった気持に安んじられる。今年の段ボール託送がトータルで20箱近くになった。19年の目標として、はじめての年間3,000冊購入を上げていたのだが、軽くクリアした。
 12月に入って、年末閉店の古本屋が値札90%引きのセールが始まる。むかしむかしのスニーカーとかファンタジアとか6冊セット価格240円とかが24円で買えたりする。100円では買うのをためらっても、10円ならいくらでも買えるので、新しい購入目標として、年間3,650冊を設定した。1日平均10冊である。たぶん二度とできない目標値であると思う。
 数を増やすと、買う本はさらに増える。これまで買ったことがなかった作家やシリーズがあらたに増えて、そのぶん揃えなければならない欠本がどんどん増える。

 多数買った主な本は、『りゅうおうのおしごと』11冊、『ニンジャスレイヤー』10冊、『グイン・サーガ』13冊、神野オキナ『あそびにいくヨ!』『疾走れ、撃て』19冊、E・R・バローズ<火星シリーズ>11冊(各50円初刷あり)、藤田和日郎『月光条例』他18冊、高橋しん『かなたかける』7冊、空知英秋『銀魂』6冊、ウイリアム・シャトナー『新宇宙大作戦』6冊、東龍乃助『エイルン・ラストコード』9冊、ひびき遊『天華無敵』他13冊、ツカサ『銃皇無尽のファフニール』12冊、あざの耕平『東京レイヴンズ』他17冊、鷹見一幸『宇宙軍士官学校』他11冊など。
 合計冊数10月とほぼ並ぶ568冊だが、購入金額は10月の7万円より大きく減った4万円。そのせいかこれだけ買って収穫と呼べるものがほとんどない。『りゅうおうのおしごと』くらいか。

 白鳥士郎『りゅうおうのおしごと』を現在の11冊目までを一気読み。評判は聞き及んでいたのだが、そういう本は高いのだ。今回第1巻から3巻まで110円で拾えたので、やっと読み始めた。想像以上に面白く、10巻11巻は新刊で買った。気がつくとシリーズ物の最新作を新刊で買ってるなかでGA文庫の比率が上がっている。大森藤ノ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか』とその外伝、蝸牛クモ『ゴブリンスレイヤー』、裕時悠示『29とJK』など。『ダンまち』と『ゴブスレ』はWEB人気作の書籍化だが、『29とJK』『りゅうおうの』はそれぞれデビュー3作目4作目であり作家を育てる力のあるレーベルなのかなとも思う。前作をまだ読んでないので単純に作家の力があるだけなのかもしれないが。
 史上初、高校生で竜王位を獲得した主人公のもとに小学生の女の子が弟子入りするところから物語は始まる。竜王戦を行った旅館の子で、それまで将棋自体を知らなかったにもかかわらず、わずかひと月でプロでも解けない江戸時代の詰将棋集を解き明かした天才少女。これに主人公と同年代で女流棋士の頂点に立つ姉弟子、神戸の天才少女その他大量の小学生と高校生が入り混じり、師匠と弟子、奨励会に歯が立たない女流棋士、居飛車と振り飛車、将棋界という苛烈なシステムと生々しい人間関係がロリコンラブコメを薬味に奥行き深く展開される。人によってはロリコンラブコメが主役だという人もいるのだろうけどあくまで薬味であると信じたい。読み応えのある将棋シーンは『ハチワンダイバー』の影響が強いが、あれが普通のリアルな将棋シーンとして書きあげられていくのは奇跡のようだ。
 コミックでいえば『ちはやぶる』のタイプだが、ロリがキツイという人もぼくの知り合いにはいる。それもわからなくはない。

○2019年総括

 年初の目標:

①  生活費270万(年金等220万、生計費50万) 家屋設備費80万 計350万円 
②  3,000冊購入
③  なろう本累計3,000冊
④  年間700冊読破
⑤  書庫 建設資金回収計画
⑥  古本購入旅行
⑦  一か月食費現金1000円内 ×

① 生活費270万(年金等220万、生計費50万) 家屋設備費80万 計350万円 ◎

 19年の支出総額は2,352,617円。18年の支出総額2,835,392円より50万円近く減額した。家屋設備費が前年同様丸残りしたので、今年は風呂場の改造や現在かなり不調で恐る恐る使っているパソコンの新調などを検討しよう。
 ただこの減少が今年以降も継続できるかは精査が必要だ。
 去年一番減ったのは実は公的支出である。一昨年の3月で退職したので、去年の年間収入は激減したのに、その前年の所得に基づく県市民税、健康保険、介護保険料などが60万円かかっていた。これが年金だけの収入の控除額になったことで、2019年はめでたく市民税非課税世帯になった。公的支出のうち控除対象とならない資産税や生命保険料(一部控除)を除く県市民税、健康保険、介護保険の合計は非課税世帯の減額もあり5万円程度で済んでいる。
 つまり去年控除してもらえた60万円が5万円になるわけで、今年は市民税課税世帯に復帰する。よって県市民税、健康保険、介護保険が大幅に増えるので昨年並み月平均20万円、年240万円で回すのはやや厳しいかもしれない。
 生活費270万が基本なのだから、まあ別にいいのだけれど。

② 3,000冊購入→3,650冊購入 ◎

 一昨年の過去最大購入冊数2,941冊を踏まえ、ここまで来たならときりのいい3,000冊を年度目標にしたわけですが、12月の近況で触れたように軽々オーバー、それなら1日平均10冊である3,650冊を目指してみることにした。
 結果は3,845冊。自分で言うのもなんですが、バカですか。
 ダブリ本が100冊以上あるので、それを差し引いてまあ目標冊数とんとんといったところ。湿気でふやけた本であるとか、若いころの読み倒したぼろぼろの本の買い直し、この本がこの値段で売られているのは許しがたいといった理由で持っているのがわかっているのに買った本はダブリ本には含めない。あくまで間違って買ってしまった本。
 購入金額は52万円。前年が44万円なので、900冊を8万円で買ったことになるのかな。5年前はだいたい30万円前後だったことを思えば買い方が粗っぽくなっている。明らかに書庫効果である。
 一昨年、なろう系と歴史時代小説を第一書庫に移したこともあり、今のところすべての本を書棚一列に並べることができており、たぶん今年一年は背表紙すべてを見ることが可能であるが、来年は2列に並べる必要が生じるかもしれない。とくになろうの棚がやばそう。単行本サイズは文庫2列の棚に1列でしか置けないのだ。
 第4書庫? うーむ。

③ なろう本累計3,000冊 ◎

 一昨年が1,027冊でそこまでの合計が2,000冊大幅越えだったので、昨年の1,048冊が加わって軽々オーバー。たぶん3,500冊くらい集まった。
 相変わらず新規レーベルの立ち上げが続いており、これだけの量を誰が買えるのかと思う。

④ 年間700冊読破 〇

 なろうだけで、5~600冊読んでいると思う。

⑤ 書庫建設資金回収計画 〇

 とりあえず株の含み損が半減した。ただしこの半減には裏があり、一昨年の11月12月にひどい大暴落があり、一気に含み損が拡大したものが、昨年徐々に回復しさらに11月12月が回復基調で終わったことによる。その季節的要因を除けば3割の回復程度といえる。
 個別のトピックとしては、ホテル宿泊無料券を目的に保持をしていたユニゾホールディングが大TOBの舞台となり、大幅に株価が上昇したこと。買った値段の3割にまで落ち込んでいたコロプラがドラクエウォークに絡んで、7割程度にまで復元したこと。一瞬、プラテンしたのだが欲をかいて見送りした結果、最終マイナスに戻ってしまった。
 ただ書庫建設資金回収計画としては、まず含み損を消したところがスタート地点となる。まだまだ先は長い。今年も正月早々アメリカイランでひどい目にあうし。

⑥ 古本購入旅行 △

 古本購入のみを目的とした一泊旅行を予定していたが、結果的に断念。
 ただ、これまで二泊三日であったSFセミナーとSF大会を三泊四日にして、名古屋東京の古本市や各地の古本屋を巡った。また日帰りながら岡山にも遠征した。トータルで通った古本市は二桁を数える。たぶん20回近い。

⑦ 一か月食費現金1000円内 ×

 株主優待券でひと月過ごそうという目標は、今年も家に篭ることが多すぎて外食が伸びなかったことで断念しました。失敗を踏まえて今年も再挑戦します。

○2020年の目標

①  生活費270万(年金等220万、生計費50万) 家屋設備費240万 計510万円
②  2,400冊購入
③  書庫 建設資金回収計画
④  健康管理計画
⑤  一か月食費現金1000円内

① は昨年通り。繰越を含め家屋設備費が240万ほど確保できるので、空焚きによって追い焚きができなくなっている風呂の新調を今年こそするつもり。

② については、4,000冊近い成果はさすがにやりすぎだと思う。長期的な書庫管理計画も含めて今年は節制に努めることにする。
 具体的には、古書の購入価格は、SFや風太郎関連を除いて220円を上限とする。昨年の例でいえば、SFMの丸表紙350円とか『X電車で行こう』など。
 それに「まんだらけ」「古本市場」「ブックオフ」などのクーポン利用による購入も例外とする。とくに「まんだらけ」については220円以下で買える本はほとんどないので例外扱いしないと使うことができない。

③ の書庫 建設資金回収計画は、株の含み損を今年中にゼロにするのが理想だが、これだけは神様任せ。

④ 健康管理
 昨年初めて血糖値HbA1cが9.6%と大台に乗った。さすがに慌てて、これまで聞き流していた運動等の体調管理を進めることにした。
 体重が現時点で74㎏、HbA1cが8.2%である。
 体重の70割れ、HbA1cの7.0を努力目標に頑張ることにする。自信があまりないのだけれど。
 あと脳ドックを含む人間ドックの受診も検討する。

⑤ は昨年通り。

そんなところで今年もよろしくお願いします。


THATTA 380号へ戻る

トップページへ戻る