みだれめも・出納日記 13年3月

水鏡子


〇2月の結果
支出計:49,841円。前年2月133,411円。83,570円減。
入手書籍:242冊 24,255円。累計428冊。前年累計346冊

 大幅減。総額が小さくなったのはパチで70,000円プラスのせいだが、じつは昨年も50,000円プラスの月である。書籍購入冊数の激増は古本市場の値下げ攻勢が原因である。

2月25日(月)〜3月25日(月)
【トピック】
 25日。先週の土曜日大量に値引き食品を買い込む(2500円)。株価上昇で機嫌よくパチ屋に行って、5万円勝つ。今年に入って最大。贅沢しようとスーパーをはしごし、家の在庫を気にしつつ2000円買い込む。冷蔵庫に積み上がった合わせて定価1万円を越す消費期限切れの食材に少し呆然としながら、次の日曜例会まで家に引き籠ることにする。

 3日。日曜例会の前に灘区と東灘区の古本市場に。灘区は中々の品揃えだったが、20万冊という触れ込みの東灘区は百円コーナーが貧弱。なるほど保有量が多いということは100円本に降ろす商品にだめなものが大量にあるということになるのか。B級ライトノベルを30冊買い込む。
 例会に久しぶりに宮城博が来る。昨年度末で早期退職、永住予定で渡英中だが、まだ観光ビザのため3カ月ごとに帰ってきているとのこと。

 4日。本の雑誌に原稿を送る。近況にSF文庫の目録記載リストを作ったので検索してくださいと書く。縛りを入れてしまったので、なにがなんでもしあげなければ。

 7日。ファイヤーエンブレム、ルナティック・モード制覇! レベル上げを目的に追加ゲームを購入したが、購入時点ですでに15章まで進んでいたのでなくてもなんとかなったようだ。ゲームバランスをとんでもなく崩すので使用を控えるべきなのだが、あればやっぱり頼ってしまう。

 9日。還暦誕生日。引き籠って1日過ごす。ファイヤーエンブレム、ルナティック+・モード制覇のためにはそんなことは言ってられない。序盤から敵が、カウンター、待ち伏せ、大楯、聖楯スキルを持っている。追加ゲームやボーナスアイテム使用可能になる3章クリヤーまではとんでもなく難しい。

 10日。例会。宮城が桐山さんら同志社SF研組を連れてくる。北村氏と30年ぶりくらいで会う。青木社長からトーレン・スミスが亡くなったことを知らされる。えっ。

 12日。確定申告に行く。出納日記を書いてるおかげで数字の整理は1時間程度でできるのだけど、毎年控除関係の提出書類の置き場所がきちんとしてなくて探しているうち申告期限ぎりぎりになる。本業収入3万円は必要経費150万円の鉄壁防御。株売買益の方に各種控除が全適用できた。株取引にも使えるんだ。
 申告書を見て初めてわかったこと。株取引の収入というのは売買益のことではなく売った株の総計なのね。下げた株の買い増しとかの売買を繰り返したので実に株収入は4900万円というとんでもない数字が上がっている。ひえー。そのうち所得にあたるのが売買益ということだった。5万円の還付がなされることがわかって、パチに行く。3万円負ける。

 14日。年金受給の手続きに行く。受取機関をJAに決め、窓口に行くとサービス品としてインスタント・ラーメン10種セットを貰う。市役所年金事務所と回って手続き完了。これで春から年金生活者。

 16日。例会前に西宮の古本市場に。品ぞろいが良いうえに女子系ラノベの3冊100円セールを開催中。逆上気味に50冊買い込む。例会に腐女子おばさんたちが来ていたので買った本の品定めをしてもらう。席上4月の平日にゲーム会をすることが決まる。

 21日。株が大きく上がったのでパチに行く。負ける。日経平均の上がった日はパチに勝つというジンクスは完全に崩れたようだ。2月のプラスをすべて吐き出す。その足で20q以上離れた、行ったことのない古本市場に行く。品揃えがひどくて傷心の帰路。

 23日。朝一で家を出て、例会前に古本屋行脚。六甲道で降りて灘の古本市場に寄ったあと、細美に教えてもらった神戸学生センターの「六甲奨学基金のための古本市」に行く。今回で16回目だという。学生のためということで、コミックやラノベが中心だと思っていたが、むしろそのてのものが少ない。文庫新書一律100円、単行本一律300円でブックオフにない本がごろごろ。大量に買い込む。その足で、宝塚のブックオフ2軒と古本市場に行く。六甲で買った10キロの本をかついで10キロ歩く。くたくたに疲れる。例会に大野万紀がくる。みだれめもはあと1週間かかるけれども、加工の必要があるリストは水曜までに送ることにする。今回のリストは6ページにわたる大部なものなのだがエクセルのシートのめくり方はわかっていない人がたくさんいるんじゃないかという話になる。リストの下部の小見出しをクリックするとそれぞれのページに飛びます。よろしく。

【読んだ本】20冊(内、漫9冊) 累計136冊(内、漫67冊)

 今月はリストづくりとファイヤーエンブレム・ルナティック+モードに根を詰めて息抜き的に毒にも薬にもならない学園ハーレムフラグ折り願望充足ファンタジイをパラパラ読んだだけ。頭が腐っていくから毒にはなる気がする。評価する気にならないので羅列で済ます。

 上月司『らぶなどーる(1)(2)』
 春日明人『絶対服従彼女(1)』

 空埜一樹『シンマと世界と嫁フラグ』
 原田源五郎『魔王っぽいの』
 伊藤ヒロ『魔王が家賃を払ってくれない(2)』
 月見草平『まなかみ』
 夏緑『魔王学校に俺だけ勇者(2)』など

岩田洋季『花×華(7)』は似たような設定だけど自主映画作りを目指す青春群像として小説の格に置いて1ランク上。★★★

林トモアキ『レイセン(6)』はやけに生真面目。『ミスマルカ』との間にはまだ一、二シリーズ挟むと思っているのだけれど、一気に詰めるつもりだろうか。★

会津晋吾・藤元直樹編『怪樹の腕』★★★★
 戦前翻訳されたウェアードテイルズ作品集。この手の本の読みやすさは、先のB級ラノベと相通ずるものだが、リテラシイ・レベルではあちらのほうが上だと思う。けれどもいかがわしさ爆発の訳文は読み応えが十分で研究部分と相俟っていい本になっている。日本人の読み手に合わせて、登場人物や地名を日本化するという話は前々から聞かされていたが、話を面白くするために男を女に変えたりもしているのだなあ。古紙の匂いのしない紙でこういう話を読めるのはうれしい。初出雑誌のイラストを多数採録し、細々と重ねた考証は小説部分よりもはるかに格調高く面白い。

(漫)は
 いわしげ孝『単身花日』☆☆☆、
 椎橋寛『ぬらりひょんの孫 最終巻』☆☆、
 『からくりサーカス 愛蔵版(1)』☆☆
その他、9冊。とても少ない。

【買った本・拾った本】主な本20点内

 立派そうな本を並べるけど、買った本の半分以上はB級ライトノベル。コミックすら少ない。日本作家文庫棚が困ったことになってきた。
 NTT出版『コミックメディア』、
 鶴見俊輔『戦後日本の大衆文化史』、
 村井吉敬編『漫画で読む東南アジア』、
 浜田義一郎編『にっぽん小咄大全』、
 ロジェ=アンリ・グラン『トイレの文化史』、
 大岡昇平『歴史小説論』、
 谷岡一郎『現代パチンコ文化考』、
 飯沢匡『権力と笑いのはざ間で』、
 開高健『シブイ』、
 ロバート・O・バトラー『ふしぎな山からの香り』、
 山田風太郎『疾風迅雷書簡集』、
 笙野頼子『硝子生命体』、『母の発達』、
 キャサリン・マーシュ『ぼくは夜に旅をする』、
 ポール・スチュワート『崖の国物語(3)(4)』
 チャイナ・ミエヴィル『言語都市』、
 フリップ・K・ディック『空間亀裂』、『トータル・リコール』、
 三川みり『銀砂糖師(1)〜(7)』、
 九月文『銀の竜騎士団(1)〜(4)』、
 斎藤桃伽『銀竜姫(1)(2)』など

【株式成績・等】3月25日現在

 通算株成績(前年末含み損益−本年含み損益+売買損益):大幅益
 今年は上記の要領で毎月の株成績を記載していく予定だったのだけど、勝ち方が半端でないのでやめます。1月から3月で、含みを含めて退職年度の手取り分程度の儲けを出しとります。4月―3月の年度収入で考えると、退職年度の収入を上回っています。元手の大半は退職金なので、やめてよかったという話になる。
 被虐体質というわけではないが、受けをとろうと思ったら、負けてる話の方が書きやすい。買ってる話を面白おかしく書いていくのは正直不可能ではないか。購入価格100万円分の本を並べるために300万円かけて書庫を作るといったどや顔話はそれなりに楽しまれても、アベノミクスで含み益が毎週50万円増えていますでは読み手に笑ってもらえる要素は少ない。でもまあ、コンセプトは出納日記なので、自慢話にならないように努力しながら書きます。
 じつは去年も年初380万円の含み損で始めたものを2月下旬に10万円の含み損まで圧縮できている。日銀による金融緩和報道によるものだったが、売りどころを間違えて、4月に入って大きく落ち込んだ。今年はその轍を踏まないようにしなければ。それにしても売り損じの大失着は大きかった。ほんとうならとんでもない利益を得ていたはずなのだ。
 ブロッコリーの大相場に死んだ子の歳を数える日々。利益が積み上がっても、もひとつうれしくない。宝くじでちょっと並び間違えたせいで1等を買い逃した気分。
 こつこつ買い集めて126円平均で4万株抱えていたのがつい2カ月前。いずれ200円は抜けるはずと信じていたのに、1日で40円も上げたのに舞い上がって180円で大半を売り払ったことがすべて。そのまま保有していたらこの銘柄だけで一時期1700万円の含み益である。頂上で売り抜けるのは無理であっても、どっしり構えていれば最低でも1500万は確実にもらえていたはず。350万ぽっきりの売買益で嬉々としていたのがバカみたい。何を欲どおしいと云われるのはわかっているけど、それだけあれば古家1軒購入して巨大書庫に改造できたのに。
 報道等での連日の株のニュースで参入を考えている人もいると思うけど今はやめておくほうがいい。かなりの確率で大口機関投資家のこやしになる可能性が高い。現にぼくの場合それまで抱えていた株が儲かっているのであって、1月2月に買った株では50万円近い損を出している。2400円で買って、3580円で売ったソフトバンク。125円平均で買って210円平均で売ったブロッコリー。この2銘柄の売買益450万円が利益の大半を占めているだけ。しかもこの2銘柄、うまく回していればさっき云ったように合わせて2000万円近く儲かっていたはずなのだ。
 山高ければ谷深し。新規参入を目指すなら、大暴落を待ち構え、そこから一、二週間様子見したうえで過去の安値と照らし合わせながら参加するのがベストと思う。買えなかっても儲けそこなっただけで損はしない。その際も投資資金の3分の1はナンピン等のリカバリー資金として保持しておくこと。投資資金の設定上限は死守すること。信用取引はしないこと。これに仕手化したもの、日経平均、TOPIXから距離を置き、9月権利の株主優待系を考慮した銘柄選定を進めたら、大儲けはしないかわりに大きな損はないというのが、実際ぼく自身の中期戦略だったりする。とりあえず利益の出ている株は、3月26日の権利確定日の株価のやや上値で指して、4月3日の日銀政策決定会合までの期間に全部処分できたらと欲張っている。そこからさらに上昇局面に入ったとしても、今回は毅然たる決断であるのでブロッコリーの時みたいには後悔はしない。たぶん。もちろん株取引はあくまで自己責任で。
 結果については次号報告。


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