二重時間者

四郷威智



0009

 やかんに穴があいてしまった。いや、なんか底に石灰状の塊がずっと前から出来ておったのよね。なんか体に悪そうだが、気にしないことにしてずっとほってあったのよなあ。で、ふと削れんもんかとガンガン叩いてみるとボコっと穴があいてしまった。ううむ。
 そんな訳で、鍋で湯を沸かしてインスタント・コーヒーをすする毎日である。いや、ロンドンの屋根裏で暮していた時はフライパンで湯を沸かしていたのであるから、まだまだっ。って何が。
 ううむ、なぜこうも貧乏学生体質が抜けんのか。
 しかし、なんか暦とうまくシンクロしてないね、この連載。次号ってひょっとして新年号なんだろうか。9月って書いていて、まずいっと、慌てて「〜10月」としたんだけどねえ。


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1899年9〜10月

マンシー・マガジン
21(6)
 パブリック・アイは今月は、またしても知らぬ人達。Marguerite's Husband by Juliet Wilbor Tompkins、「世界食糧供給事情」。おっ、コスモポリタンと同じくアメリカズ・カップの記事が。「夏の夜のニューヨーク」。で、Sophiaの続き、「俳優、リチャード・マンスフィールド」、「ドレフュス」、 The King's Mirrorの続き、「慈善の虚実」、掌編小説のコーナーがあって、演劇セクション、で、「ニューヨーク社会の空言」
22(1)
 パブリック・アイ、今月もよう知らん人が並ぶ、建設中という来年のパリ万博の写真がちょっと眼を引くぐらいか。Sophiaの続き、「ボヘミアへの小旅行」、「ブロードウェイのてき弾兵」、「現代の摩天楼」、The King's Mirrorの続き、「馬で犬を追う」、「血は水よりも濃し」、「最速の列車」、The Double Cross by Frank H. Spearman、「ニューヨークのクラブとクラブ・ライフ」、掌編小説コーナー、演劇セクション、「財産を築くには?」、「ジャーナリズムの陥穽」。

コスモポリタン
27(5)
「アメリカズ・カップ」の記事が冒頭に出ていて、A Life by Maarten Maartens、それで「無意識の犯罪」というアメリカ秘密情報局長ジョン・E・ウィルキィによる記事。「フランス・スパイ組織の内幕」、「大いなる湖のアート・ギャラリー」、「ニューヨークの屋上庭園」、Love laughs at Blacksmiths by O'Neill Latham、The Delightful Art of Cooking by Anna Leach、「帝国の建設」の続き。「フィクションの研究」、「食べ物の購入の技術」、「ケンタッキーの土地にまつわるロマンスと悲劇」、Elton Slade's Auction Habit by Annie Hamiltion Donnell、「男と女とイベント」。
27(6)
「イギリス宮廷の美女たち」、「馬の交換大会」、マーク・トウェインのChristian Science and the Book of Mrs.Eddy、Lady Mary's Mistake by Maarten Maartens、「亜鉛採掘」、「メキシコの舞台と人気者」、「グレープ採取者」、「幼児のケア」、ストックトンのLady in the Box、Out of the Shadow by Elimore Elliott Peake、「今日のボナパルト家」、「家でキャンディを作る」、「カリオストロ」の記事があって、「アリゾナのエピソード」、「仕事とは」、「国立手形交換銀行計画」、「最近のアートから」、「劇の端役」。

ストランド・マガジン
18(3)
 今月は有名な(って、英米古典SF者の間だけだろうけど)フレッド・M・ホワイトの人喰植物もの「パープル・テラー」で幕を開ける。いや有名かどうか知らんが、「H.G.ウエルズのライヴァル達のSF」と、モスコウィッツの「サイエンス・フィクション・バイ・ガスライト」という古典SFアンソロジー二大代表の両方に入っとるからのお。「パンチを覗く」がまだ続いていて、L.T.ミード&ロバート・ユースタスの連載の続き。「サザン・クロス号の南極探検」ジェイコブスの続き、「皇女暗殺」、An Amateur Buddha by John Foster Fraser、「水球」、アレンの続き。「動物の行動」、The Event of the Day by Neil Wynn Williams、「世界最年少の機関師」、ネスビットの続き。
18(4)
 コナン・ドイル「クロクスリの王者」三回分載の第一回で始まる。これは昔は新潮文庫の『ドイル傑作集III ボクシング編』で読めたんだけどね。で、「パンチを覗く」に、ジェイコブスの続き。で、おなじみインチキ写真満載で送る「最大記録」という記事。ストックトンのThe Snowflake of the Service、アレンの自然観察な連載の方の続き。Lind by Basil Marnan、「ナイアガラ橋のロマンス」、ミード&ユースタスの続き。A Tale of a Judy Show by R.E.Vernede、「棒歩き」って、ただ水の上に突き出した棒の上から人が落ちている写真を並べた記事。しかし、棒の先端が向こう岸についている訳ではないので、渡りきっても水の中に落ちざるを得ない。ということで、人が落ちるのを写真にとって喜ぼうという企画か。で、アレンのヒルダ・ウェイドの方の連載があって、「デラニー夫人の花の切り絵」。



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1999年9〜10月

10紀田順一郎科学と格闘した文豪たち長山靖生『鴎外のオカルト、漱石の科学』評
小説新潮11菊地秀行魔剣士−妖太閤篇第十回
小説新潮11宮部みゆき心眼21
アニメージュ11京極夏彦・大森望SF小説入門講座京極夏彦読者と世界を作る第19回
本の雑誌11鏡明連続的SF話183伝説のシンガー
太陽11荒俣宏ザラ紙の楽園アメリカ大衆マガジン再発見10ウイアード・テールズ興亡記
本の雑誌11山岸真SF新世紀あの名作のテーマ的続篇登場『終りなき平和』
小説すばる7山田正紀螺旋階段 
小説すばる11山田正紀天使の暴走 
小説すばる11殊能将之著者インタビュー 
小説すばる7酒見賢一現代マンガの風景マンガたたき台
小説新潮11酒見賢一陋巷に在り105 
小説新潮11新井素子わが師の恩 ありがとう星さん 
現代11清水義範私が「先生もどき」だったころ「遠く学校から離れて」23
太陽11川上弘美二十二個の星センセイの鞄5
群像11川上弘美I'm tired 
小説すばる11倉阪鬼一郎青磁の壺 
小説すばる7大森望物集高音「血食 系図屋奔走セリ」今月の、この一冊
アニメージュ11大森望ムツカしい本を読むと眠くなる初恋地獄篇「巷説百物語」、「リアルヘヴンへようこそ」
小説すばる11大森望牧野修「リアルヘヴンへようこそ」今月の、この一冊
本の雑誌11大森望新刊めったくたガイド史上最大驚天動地の大風呂敷!『宇宙消失』にSFの神髄を見た
翻訳の世界12巽孝之アメリカ文学の思想15ダーウィニズム(3)
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小説宝石11田中光二ダブル破壊司令最終回
翻訳の世界12嶋田洋一造語をひねりだす苦悩わたしの辞書引き人生18
小説新潮11筒井康隆魚籃観音記 
本の雑誌11日下三蔵犯罪小説50冊 
翻訳の世界12白石朗愛の空間・小説のまちがい・古書店めぐり−一気読みの三冊書評日記
本の雑誌11北原尚彦神田番外地読み物としても面白い自警会発行の非売品江戸用語の基礎知識
小説すばる7夢枕獏黒塚(第22回) 
ダ・ヴィンチ11夢枕獏小説をマンガで描く愉しみと、マンガ化してもらう悦び萩尾望都との対談
中央公論11夢枕獏シナン5 
小説すばる11夢枕獏黒塚(第26回) 
太陽11柳下毅一郎故郷・ボルチモアに捧げる賛歌触感スクリーン

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